寒ボラは美味しい食材

フカセ釣りやサビキ釣りなどで釣れる外道
そんなイメージのボラが
実はとてもおいしい食材なんです。

みなさん「ボラ」についてどんなイメージですか?
河口堰付近の用水路などにいる、汚い海にもいる、生臭い、ウロコが大きい、サビキの仕掛けをだめにする、などなど。
多分良いイメージの方が少ないと思います。
多くの釣り人は「ボラ」は外道として、釣ったら放流するようです。
実際フカセ釣りやサビキ釣りでよく放流している釣り人をよく見かけます。

まず「ボラ」について少し知りましょう。
「ボラ」は漢字で書くと「鰡」と書きます。
ちなみにパソコンでボラを変換すると「鰡」と「鯔」が出るかもしれません。
「鯔」は「イナ」と読みます。
どちらも同じ魚です。
つまり、「ボラ」は出世魚で成長過程で名前が変わります。
地方によって呼び方に違いがありますが
10cm前後を「オボコ」

20cm前後を「イナ」

30cm〜50cmを「ボラ」

それ以上80cmくらいを「トド」
と言います。
ここで出てくる「トド」とは、「結局」や「つまるところ」と言う意味の「とどのつまり」の語源になっています。
「ボラ」と日本人の歴史は古く江戸時代には人気の釣り魚として、また、冬の旬の魚として食べられていたようです。
冬が旬の魚「ボラ」は「寒ボラ」と呼ばれ生臭くなく刺身でマダイと間違うほどおいしい魚なのです。

さらに「ボラ」の卵巣から作られる高級食材「カラスミ」も有名です。
また、「ボラのへそ」と呼ばれる珍味があります。
「ボラのへそ」は胃と腸の接合部分にあり、そろばんの玉みたいな形をしています。
「ボラのへそ」は塩焼きにすると焼き鳥の砂肝のような食感でとてもおいしい食材です。
文豪「夏目漱石」作「吾輩は猫である」の中でも「ボラのへそ」が紹介されています。
しかし「ボラのへそ」は1匹から1個しか取れない希少価値の高い食材と言えます。

執筆者:堀 純(ほり じゅん)
1978年生まれ。広島県在住。幼少の頃より魚釣りをいそしみ海のフカセ釣りやバス・渓流釣りなど何でもこなすマルチアングラー。当サイト「釣り情報ガイド」管理人。
釣りクラブ「釣技伝承会」会長。

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